北欧社会民主主義とはなんぞや?

新聞にフィンランドで世界最年少の34歳女性首相誕生とあり、そこには「社会民主党」と書いてあった。昨晩同じ北欧デンマークの紹介イベントで言われた「社会民主主義」というのを思い出したのでペンをとってみたい。

世界を旅するエコトリッパー

昨晩福井市環境推進会議主催の「世界を旅するエコトリッパー」という企画に参加しました。教育や環境でもよく名前を聞くデンマークとはどんな国なのかを知るためです。約90分の企画でしたが大変有意義なものでした。企画をされた主催、一緒に活動されている福井大学生に今後の活躍も期待したいと思います。

石川県より講師を務めたデンマーク出身の方です。大変日本語も上手でデンマークの紹介も大変よくわかりました。参加者もデンマークに興味のある方がいっぱい集まりました。

北欧(北ヨーロッパ)ってどこ?

北欧ってどこ?と聞くとスカンジナビア半島のノルウェー、フィンランド、スウェーデンを思い浮かべますがウィキペディアによるとノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランドに、バルト三国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)、ブリテン諸島、アイスランドをさすようです。デンマークのサイズは北海道の半分の面積で国民は500万人。世界で一番古い王室があり日本とも深い交友があるそうです。

国際連合によるヨーロッパの区分 北ヨーロッパ (青) 西ヨーロッパ(水色) 東ヨーロッパ(赤) 南ヨーロッパ(緑)

HYGGE デンマーク人の大事な物

「仕事も大事だけど、Hygge(ヒュッゲ)が一番大事!」と言っていたHyggeとは日本でいう「くつろぎ」「憩い」といった感じでしょうか。個人を大切にする、お互いを尊重し、プライバシーや人権を守ろうといった気持ちかもしれません。

社会と個人の両立「社会民主主義」

個人の事を大事にする「民主主義」も大事だけど、個人の事だけでは環境の問題、街の仕組みなど社会的な事は実現できない。個人を認めてもらうためには他者も認め合う心がないと成立しない。社会的なゴールを共有しそれに向かってみんなで挑んでいく。それが社会民主主義といったところでしょうか。

税金は50%、しかし…

日本は消費税10%ですが、所得税も所得によって下記のように変わります。(累進課税せ)
所得金額 /税率 /控除額
195万円以下/ 5% /0円
195万~330万円 /10% /97,500円
330万~695万円 /20% /427,500円
695万~900万円 /23% /636,000円
900万~1800万円 /33% /1,536,000円
1800万~4000万円 /40% /2,796,000円
4000万円超 /45% /4,796,000円
所得×税率-控除額=税金として支払いとなります。
所得4000万円以上の方は45%課税で北欧と変わらないように見えますが、今の日本平均年収は441万円、約20%の課税となります。
所得税が50%という事で平均アルバイト料が時給1800円という事ですが、半分税金なら手取りは900円と福井とあまり変わらない状況。しかし、医療、教育、介護などすべて無料となる事を考えると、老後を心配して貯蓄をする必要もなく、地域社会や家族が健康でお互いに助け合って生きる明るい社会を作ることができる制度かもしれません。

環境への取り組みもやはりすごい

環境への配慮も素晴らしく、北欧で日本より冬が長かったり、寒い日が多いのに、ラッシュアワー時の通勤には自転車通勤が自動車通勤の台数を越え、自転車専用高速道路も作ってしまうくらい環境への配慮が進んでいます。生ゴミのコンポスト、海上での風力発電も進み、デンマークでの使用電気量の41%を補い、工場などからでる熱はセントラルヒーティングで各家を温め、50%の所得税は確かに世界の環境に配慮しながら国民ひとりひとりの生活を守ることをミッションにしている感じがします。

お楽しみはクリスマスオープンサンド

クリスマスイヴにはお肉料理、25日クリスマスには上記のようなオープンサンドを食べるのが伝統だそうです。

写真にある黒いパンに複合バジルとマーガリンで味付けし、サーモンやお野菜を乗せ完成。ハンバーガーになれた僕には食べにくかったですが、フォークとナイフで頂きます。

振り返り

今回の参加で自分が求めている社会の在り方が北欧の目線と近いことを実感しました。ベースとなる宗教や気候、社会環境なども違うので日本がデンマークのようになるのは簡単ではないですが、「社会民主主義」という考え方にも共感を覚えます。同じ北欧、スウェーデンの環境活動家 グレタ・トゥンベリ さんのような活動家が生まれるのも社会の環境がそうさせた「必然」を感じます。
僕たちの日本は、石炭利用を問われ、原発にお金かけているがエネルギー的にはたいして利用なく、戦闘機はアメリカから爆買いし、社会保障は薄くなり、規制緩和で日本の中小企業は経営、雇用が厳しくなり…課題大国の日本です。解決は簡単ではありませんが、国民同士の対話を大切にメリットデメリットの比較と未来の形を模索して進めていきたいと強く感じました。 世界の民が、世界環境を意識した取り組みを目指し、政治家を選び、国民の意思を形にしていく。 大事ですね。
最後になりますが、こういった活動に次世代を担う福井大学の学生が関わっていることに未来への希望を感じましたし福井市環境政策課の取り組みにも敬意を表します。今後の活動にも参加したいと思います。

グレタさんスピーチ